社長のための会社にお金を残す節税戦略 【第5回】保険は“節税商品”ではない – 財務戦略としての活用法
第5回|保険は“節税商品”ではない ~ 財務戦略としての活用法~
出口から逆算すれば、保険は最強の財務ツールになる
「保険に入れば損金になりますよ」と勧められた経験はありませんか?しかし保険を“節税商品”として使うのは本質を外しています。保険はあくまで「出口から逆算して資金戦略を組み立てるツール」です。退職金や承継資金など明確な目的と時期があるときこそ、保険は財務戦略として力を発揮します。「節税になるから」という理由だけで契約すると、キャッシュフローを圧迫するリスクすらあるのです。今回は、保険を本当の意味で経営の武器にする考え方をお伝えします。
目次
前回【第4回】役員退職金は“最強の節税戦略”であるの内容はこちらから見れます
- はじめに:「節税のための保険」は会社を弱くする
- 節税だけを目的にした保険活用の3つの落とし穴
- 保険は“財務戦略の一部”として考える
- 出口から逆算する「3つの保険活用戦略」
- 事例:出口を意識した保険活用で資金計画が整ったC社
- 社長が今すぐチェックすべき3つの視点
- おわりに:「保険=節税商品」という時代は終わった
はじめに:「節税のための保険」は会社を弱くする
「決算前に保険を入れれば節税になりますよ」「法人契約の生命保険で利益を圧縮できます」――このような営業トーク、経営者なら一度は聞いたことがあるでしょう。確かに保険は損金算入が認められる場合もあり、短期的には法人税を抑える効果があります。
しかし、ここで大切なのは「その保険が本当に会社を強くしているか?」という視点です。「節税になるから」と安易に加入し、結果的にキャッシュを圧迫してしまう例は少なくありません。本来、保険は“節税商品”ではなく、「財務戦略の一部」として活用することでこそ、その真価を発揮します。
節税だけを目的にした保険活用の3つの落とし穴
まずは、よくある誤った保険活用のパターンを整理しておきましょう。
- 税金は減ってもキャッシュが減っている
「損金になる」と言われて加入しても、毎月の保険料は“支出”です。年間数百万円の保険料を支払えば、確かに法人税は減りますが、それ以上のキャッシュが会社から出ていきます。結果として、節税したはずなのに資金繰りが悪化するという本末転倒な事態になりかねません。 - 解約返戻金の“出口”が考えられていない
保険契約の出口(いつ・何のために解約するのか)を考えずに契約すると、必要な時に資金が戻らないことがあります。返戻率が低く損失を出すケースも。出口戦略なき保険契約は、節税どころかリスクの種になります。 - 保険だけで節税が完結すると思い込んでいる
保険は財務戦略の一要素にすぎません。役員報酬や退職金制度、内部留保戦略などと組み合わせて初めて真価を発揮します。
保険は“財務戦略の一部”として考える
保険は「節税商品」ではなく、「財務戦略の一部」として活用することが重要です。そう考えることで、保険は単なる支出ではなく、会社の未来を支える“資金戦略ツール”に変わります。
- 役員退職金の原資として積み立てる
- 将来の事業承継資金や自社株対策の資金として準備する
- 金融機関との信用力を高めるための内部留保戦略の一環とする
いずれも共通しているのは、「出口」から逆算して保険を位置づけている点です。
出口から逆算する「3つの保険活用戦略」
保険を財務戦略として活かすためには、「出口から逆算する」という発想が欠かせません。代表的な3つの方向性を紹介します。
- 退職金原資としての積立
毎年一定額を積み立てておけば、将来の退職時に大きな資金を用意できます。支払い時には損金算入でき、社長側も退職所得控除で税負担を抑えられるため、法人と個人の両方で効果があります。 - 事業承継・自社株対策の資金準備
承継時に必要な資金を保険で準備しておくことで、自社株の買い取り資金や納税資金に充てることができます。 - 内部留保戦略の一環としての活用
「解約返戻金の見込み額」を内部留保の一部としてカウントし、金融機関との交渉力を高めるという使い方もあります。
事例:出口を意識した保険活用で資金計画が整ったC社
年商2.5億円のC社は、以前は「節税のため」として保険契約をしていましたが、キャッシュフローが圧迫されていました。そこで、「5年後の社長退職金原資」と「10年後の承継資金」を出口として再設計した結果、年間600万円の保険料が戦略的な資金積立に変わり、将来の資金計画が明確になりました。
社長が今すぐチェックすべき3つの視点
あなたの会社の保険は本当に“戦略”になっているでしょうか? 次の3つの問いに答えてみてください。
- 契約している保険の「出口(いつ・何のために)」を明確にしているか?
- 保険を単体で考えず、退職金・承継・内部留保と連動させているか?
- 「節税のため」だけに契約していないか?
一つでも「いいえ」があれば、今こそ見直しのタイミングです。
おわりに:「保険=節税商品」という時代は終わった
かつてのように「保険=節税商品」として考える時代は終わりました。今の経営に必要なのは、「保険=財務戦略ツール」という視点です。出口から逆算し、全体の資金戦略の中に位置づけることで、保険は「節税」以上の価値を発揮します。
税金対策・資産形成・承継準備という3つの課題を同時に解決できる武器になるのです。
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