社長のための会社にお金を残す節税戦略 【第8回】節税・財務・承継をつなぐ「戦略設計図」とは
第8回|節税・財務・事業承継をつなぐ「戦略設計図」とは
~ 点ではなく「線」で経営を設計せよ~
ここまで学んできた節税、財務、事業承継は、それぞれ独立したテーマではありません。
すべてを「線」でつなぐ“戦略設計図”として描いてこそ、本当の力を発揮します。
戦略設計図がない会社は、節税してもキャッシュが増えず、事業承継で税負担に苦しみ、成長のチャンスを逃します。
「点」を「線」に変えることで、会社の未来はまったく違うものになりますので、今回は、節税・財務・事業承継を一体化する戦略設計図の考え方をお伝えします。
目次
前回「【第7回】“損金化の罠”に注意せよー間違った節税7選ー」の内容はこちらから見れます
- はじめに:「点の節税」から「線の戦略」へ
- 戦略設計図がない会社が陥る3つのリスク
- 「戦略設計図」とは何か
- 戦略設計図の本質は、「逆算思考」
- 実践のための3つのステップ
- おわりに:「戦略設計図」がある会社だけが未来を選べる
はじめに:「点の節税」から「線の戦略」へ
ここまで7回にわたって、節税の本質から役員報酬、退職金、保険、内部留保、損金化の落とし穴までを解説してきました。
おそらく、多くの社長が「自分の会社にも当てはまる」と感じるポイントがいくつもあったはずです。
しかし、これらの知識や施策を“点”としてバラバラに扱っていては、会社は強くなりません。
重要なのは、それらを「線」でつなぎ、ひとつの戦略設計図として描くことです。
節税、財務、承継はそれぞれ独立したテーマではなく、すべてが密接に連動しているのです。
この全体像を描けているかどうかが、会社の未来を大きく分ける分岐点になります。
戦略設計図がない会社が陥る3つのリスク
まず知っておくべきは、「戦略設計図がないまま経営をしている会社」がどのような末路をたどるかです。
私が現場でよく見てきた典型的な3つのパターンを紹介します。
① 節税はしているが、キャッシュが増えない
単発の節税施策は行っていても、役員報酬・退職金・保険などの全体設計がないため、トータルのキャッシュが増えない会社は非常に多いです。
税金は減っているのに、会社が強くならず、資金繰りは常にギリギリという状態が続きます。
② 財務体質が強化されず、融資・投資のチャンスを逃す
内部留保や自己資本比率の戦略設計がないままでは、金融機関からの信用が伸びず、必要な時に資金調達ができません。
結果として、新規事業やM&Aなどのチャンスを逃し、成長スピードが鈍化します。
③ 承継時に大きな負担がのしかかる
節税や財務を単発で考えていると、承継の段階で思わぬ税負担や株価上昇に直面します。
事前に設計図があれば回避できたはずの問題で、次世代への引き継ぎが難航するケースも珍しくありません。
これらはすべて、「個別対策だけで全体設計がない」ことが原因です。
だからこそ、社長には「点の節税」から「線の戦略」へと発想を転換していただきたいのです。
「戦略設計図」とは何か
では、節税・財務・承継をつなぐ「戦略設計図」とは何でしょうか。
それは、一言でいえば“会社のお金の流れと未来を一枚で描いた「資金戦略マップ」”です。
大きく分けて、次の3つの柱で構成されます。
① 節税戦略 – 「税金を減らす」ではなく「お金を残す」
・役員報酬、退職金、保険の設計
・出口を見据えた損金活用
・税金を払ってでもキャッシュを残す発想
節税はあくまでスタート地点です。
「税金を減らすため」ではなく、「会社と社長の手元に資金を残すため」に設計します。
② 財務戦略 – 「内部留保」を軸に会社を強くする
・利益計画と納税計画を連動させる
・内部留保を増やす仕組みをつくる
・金融機関との関係性を高める指標を意識する
節税の結果だけでなく、「どれだけ内部留保を積み上げられたか」で会社の未来は決まります。
この視点がなければ、節税も保険も“単なる支出”で終わってしまいます。
③ 承継戦略 – 「未来の出口」から逆算して今を設計する
・自社株評価のコントロール
・退職金・保険・内部留保を活用した承継資金の準備
・後継者や家族への資産移転設計
節税と財務の先にあるのが「出口戦略」です。
ここを見据えて初めて、「今何をすべきか」の優先順位が明確になります。
戦略設計図の本質は「逆算思考」
戦略設計図の本質は、「未来から逆算して今を決める」ことにあります。
「今の利益に対して何をするか」ではなく、「5年後・10年後のゴールに向けて今何を仕込むか」という思考です。
退職金の原資はいつ必要になるのか。
自社株対策はどの段階から始めるのか。
内部留保をいくら積み上げれば、金融機関との関係が変わるのか。
これらを明確にしたうえで、節税・財務・承継の施策を組み合わせると、会社のお金の流れはまったく違うものになります。
実践のための3つのステップ
では、戦略設計図を実際に描くためにはどうすればよいのでしょうか。
次の3ステップが基本になります。
ステップ① 「未来のゴール」を明確にする
社長が何歳で引退し、どのような形で事業を承継するのか。
10年後に会社をどの規模に成長させたいのか。
まずは未来の姿を明確にすることが出発点です。
ステップ② 「逆算して今やるべきこと」を整理する
未来のゴールから逆算して、今の利益計画・役員報酬・退職金・保険・内部留保の設計を整理します。
点ではなく線でつなげることで、優先順位が明確になります。
ステップ③ 「数字」として設計図を描く
戦略は数字で描かなければ絵に描いた餅です。
キャッシュフロー、納税計画、内部留保推移、承継時の株価などを“見える化”し、1枚の図として設計します。
おわりに:「戦略設計図」がある会社だけが未来を選べる
節税、財務、承継――どれも大切なテーマですが、それぞれをバラバラに考えていては、経営は思うように進みません。
本当に会社を強くしたいなら、3つを「線」でつなぎ、戦略設計図として描くことが不可欠です。
戦略設計図がある会社は、未来を“選ぶ”ことができます。
一方、設計図がない会社は、未来を“受け入れる”しかありません。
次回は、この設計図の中でも特に重要な「未来逆算の資金設計」の考え方を掘り下げます。
会社の未来を決めるのは、今どれだけ正しく“逆算”できているかです。
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