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財務ミニコラム 事業計画で大事なことは、BSからの逆算!

「売上目標」から計画を立てていませんか?
実は、それだけを出発点にすると経営がうまく回らなくなることが多いんです。
大事なのは、B/S(貸借対照表)を使った“逆算の考え方”です。

「来期は売上10億を目指すぞ!」
「とりあえず前年比120%で予算を組もう!」

経営者であれば、こうした前向きな目標を掲げたくなるのは自然なことです。もちろん“挑戦する姿勢”は会社を成長させる大事な力です。しかし実は、「売上目標」から事業計画を立てると失敗しやすい、という落とし穴があります。

なぜかというと、売上は“目的”ではなく“手段”だからです。本当に経営者が考えるべきなのは、5年後にどんな財務体質の会社になっていたいのか? というゴールの姿です。

例えば──

  • 借入金をあといくら減らしたいのか
  • 現預金をどれだけ積み上げておきたいのか
  • 自己資本比率を何%まで高めたいのか

これらはすべて貸借対照表(B/S)の姿で描けます。そして、その理想像から逆算すれば、「必要な利益はどれくらいか」「利益を確保するために必要な粗利はどの程度か」「その粗利を実現するために売上はいくら必要か」と数字を落とし込めるのです。

つまり「売上10億を目指す」のではなく、「5年後に自己資本比率を40%にするためには、来期はこの利益水準が必須。そのために売上は○億必要だ」と考えるのが正しい順序です。

売上目標はゴールではなく、健全な財務をつくるための“結果”として現れるもの。逆算の視点で計画を立てることこそが、持続的に会社を強くしていく経営の基本なのです。

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